生薬の性質

漢方知識

漢方の原材料となる生薬には多くの分類が存在します。
生薬のそれぞれの性質を理解して、生薬のメリット・デメリットを理解していきましょう。

四気(五性)

四気(しき)とは「寒・熱・涼・温」の性質のこと。生薬を含む食べ物全般には身体を温める「温熱性(おんねつせい)」と身体を冷ます「寒涼性(かんりょうせい)」がある。
そして、どちらにも作用しない「平性(へいせい)」を四気に加えて五性(ごせい)と呼ぶ。この五性の他に「微温性(びおんせい)」や「微寒性(びかんせい)」なども存在します。

性質作用対象証
熱/温身体を温める。寒邪を取り除く。寒証
寒/涼身体を冷ます。火邪を取り除く。熱証
身体を温めもせず、冷ましもしない。すべて

帰経

帰経(きけい)とは「肝・心・脾・肺・腎」の性質のこと。生薬を含む食べ物全般には目や爪、筋肉などに症状が現れる「肝(かん)」や舌や顔面、血脈などに症状が現れる「心(しん)」、口や唇、肌肉などに症状が現れる「脾(ひ)」、鼻や毛、皮膚などに症状が現れる「肺(はい)」、耳や歯・髪、骨などに症状が現れる「腎(じん)」がある。
東洋医学における「五臓六腑」の五臓に当たります。

 五臓 性質表症 季節 
血液を貯蔵したり、気血がスムーズに流れるようにコントロールする目・爪・筋肉
血を全身にめぐらせ、滋養させる働きがある舌・顔面・血脈
飲食物を消化吸収し、体の基本となる「気血水」をつくる口・唇・肌肉梅雨
脾と協力して「気」をつくり、全身に散布したり、水のめぐりを調節する鼻・毛・皮膚
生命エネルギーの源を蓄える耳・歯・髪・骨

五味

五味(ごみ)とは「酸・苦・甘・辛・鹹」の性質のこと。生薬を含む食べ物全般には引き締める作用がある「酸(さん)」や熱を冷まし、湿を乾かし、下す作用がある「苦(く)」、補ったり緩和する作用がある「甘(かん)」、発汗させ、気を巡らし、散らす作用がある「辛(しん)」、堅いものを柔らかくしたり、潤して下す作用がある「鹹(かん)」がある。
また、五味は帰経にも作用する。

  作用対象五臓
身体を引き締め、汗を止めたりする
熱を取り除き、身体の中に溜まった水分を排出する
痛みを緩和し、胃腸などの働きを助ける
身体を温め、発汗を促す
便通を促し、しこりを柔らかくする

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